聖書を読む 「タルムード」

※私はミッションスクール出身ですが洗礼を受けていません(信徒でない)、 あくまで文学・歴史書として読んだ場合の個人的な感想です。基本的に信徒以外の方に向けて書いております。


律法と口伝律法


アブラハムの宗教では人々は神からの指示を守る必要があるのですが、その為には預言者が受け取った神の指示を「口」で伝えるか「字」で伝えるかしなければなりません。「十戒」については、最初から神が「字」で伝えてくれたので問題ありませんが、律法は「十戒」以外にも膨大に存在します。

そこで信徒達は「十戒」以外の律法も含めて書かれている「モーセ五書(トーラー)」を読んで神の指示を理解しようと、今に至るまで日々聖書の研究を行っているのです。

しかし、ユダヤ教では聖書に書かれている律法だけ守っていても駄目だというのです。
何故ならば、神はモーセに「律法」を授けたと同時に、口伝で伝承するべき「口伝律法」も同時に授けたというのがユダヤ教徒達の認識だからです。



口伝律法とタルムード


不思議な事にある時期にイスラエルの人々は口伝律法を文書化するプロジェクトに取り組みだします。そして文章化された口伝律法の最終形が「タルムード」とよばれる文章群です。

もはや口伝なのか口伝でないのか分からなくなった口伝律法ですが、「タルムード」とはヘブライ語で研究を意味する言葉らしいので、あくまで「口伝律法の解説書」であって、「大事な部分は口伝で語り継いでいるので神の指示を無視しているわけではない」という事なのかもしれません。

何にせよ、ユダヤ教徒達は律法が書かれた「トーラー」と口伝律法が書かれた「タルムード」の二つを正典として信仰している訳です。




タルムードとキリスト教


問題はキリスト教徒達で、聖書には「神がモーセに口伝律法も同時に与えていた」等という事は「口で伝えるべき」と指示されているのですから、当然書かれていません。

もちろん、元々キリスト教もユダヤ教の中から生まれた宗教ですので、一部の人はこの事を知っていた筈ですが…私の経験上では現代のキリスト教徒達の間で「口伝律法」が受け継がれている様子はありませんでした。

イエス派の登場は口伝律法の文書化プロジェクトが始まる100年以上前ですので、多くのキリスト教徒にとっては、神の指示の半分しか知らなかったという状況が発生したのは間違いないでしょう。

そして「タルムード」完成後も正典に取り入れなかった事実から、「口伝律法が本物の預言でない」とキリスト教徒達は判断した事になってしまいます。
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おぼさりてい

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歴史・経済に興味有り

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